孤独死予備軍55歳独身オヤジの非正規夜間警備員、病院巡回日誌2

目次

1.はじめに

夜間の警備業って、

対人業務、電話対応などが少なくて楽そうと思っていませんか?

確かに、この二つにおいてはその通りですね。

でも、就業してみて初めて分かることってありますよね。

こんなはずではなかった…、とういうのが。

私にとっては「仮眠」なんです。

仮眠は夜の仕事では必要なことですよね。

でも、それは従業員が

「仮眠という行為」を実践できることを前提にしています。

仮眠時に使用する長椅子

この画像の手前長椅子が仮眠場所です(笑)

真っ暗ですね~。

誰もいないだだっ広い空間です。

ときどき、柱とかに貼られているポスターが落ちたりするんですよ(笑)

仮眠をきちんと摂れないのが私なんです。

仮眠をきちんと摂れないと、

仮眠タイム以降の業務中に頭がぼーっとしています。

1時間とか、1時間半の仮眠できちんと30分以上眠って、決められた時間に起床できる。

これは夜間警備員に求められる必須の能力です。

また、就業中の仮眠は、

帰宅してからの生活リズムにも大きく影響します。

仮眠がうまく摂れなくて帰宅すると、

なかなか寝付けなく、

寝付いたら、

起きたのが午後の3時!

だったりします。

他の人の話を聞くと、

昼前に起きてスッキリしているみたいですが…。

私も仮眠が上手く摂れた時は、

寝付きよく、帰宅して昼にはスッキリと眼が覚めます。

だけど、

上手く仮眠が取れなくても、驚くようなことが起きると、

身体も頭もシャキッとしますよ。

今回のお話は、

仮眠がうまく取れなかった後の巡回時のエピソードです。

いや~、これは怖かったですね。

怖かったというよりは、

テレビのドッキリ企画のターゲットになった気分でした。

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2.今日の本題『精神病棟のすりガラス』

精神病棟入口

精神病棟入口、本館裏からの通路を通っていく。

私が病院の夜間警備業に就いて、2019/12月で、1年4カ月になります。

最初のころは、精神病棟巡回が一番緊張していましたね。

なぜ?

ま、これはだいたいの人が感じていることと同じだと思います。

精神病患者さんは、普通に生活している人々の常識を超える動きをするから…。

ではないでしょうか。

病気を患っている方に対して、

こういうレッテル貼り的な考え方は良くないとは思いますが、

肌感覚として抱いてしまうのですから、仕方ないでしょうね。

いくら、

「病気なんだから、そういう目で見てはいけない」

とは分かっていても、

理屈を超えて肌がそう感じるんだから…。

そういった感じで最初のころは緊張していましたね。

直接患者さんと接することは無いのですが、

患者さんの視線を浴びる巡回もあるんですよ。

その時には、患者さんたちとは視線を合わせないようにしています。

良くも悪くも、

相手の患者さんの感情を揺さぶることのないように、

という配慮のもとでの行動なんです。

嬉しいという喜びの感情、

嫌な奴だな、というマイナスの感情、

どちらを抱くにせよ、

患者さんが、その感情によって、

どういう行動を引き起こすのかが、

怖いということなんです。

私たち夜間の警備員が、

患者さんたちの視線を一手に集める巡回。

それは、早朝の新聞配達を兼ねた巡回の時です。

入院している患者さんたちは外部の情報に飢えています。

毎朝の新聞を楽しみにしているんですね。

新聞配達の方もさすがに精神病棟内には入っていけません。

看護士さんたちが受け取ることも、

看護士さんたちの労が多くなってしまいます。

そこで、

巡回している警備員が配達を兼ねる、ということになったようです。

私たちも患者さんに直接手渡したりしません。

病室につながるナースステーションに届けるまでが業務です。

そのナースステーションは、

一面ガラス張りで、

病室をながめることが出来る作りになっています。

逆に言うと、患者さんたちから丸見え状態です。

早く来ないかな、と心待ちにしている朝の新聞。

6時前という早朝でも、ガラスにピタリと顔を寄せて待っているんです。

私は眼を合わせないようにして、看護士さんに手渡します。

8階から2階まで各階に配っていきます。

ナースステーションへの外部からの出入り口は、

入る時も、出る時も鍵が必要です。

配達終えて、ナースステーション出てからの最後の施錠が、

夜間巡回時の中で最も大切なことです。

もし、鍵をかけていなかったら、

患者さんが脱走してしまうことだってあり得ます。

ま、このことも精神病棟巡回の緊張感が高まる要因のひとつですね。

精神病棟2階、午前6時。配ぜん食事搬入口

精神病棟2階、午前6時。配ぜん食事搬入口

上記の写真が午前6時、ちょうど夜明けの時間でした。

正面右手の部屋が各患者の食事の準備や、

食べ終わった後の食器・残飯を集めるところです。

正面の、明かりどりが二つある開き戸の向こう側が、

患者さんたちが集まるホールになっています。

左手のドアが、私たちが新聞配達時に使う、ナースステーション入口ドアです。

朝の6時ということで明るさを感じますが、

この出入り口箇所の照明は通常切られています。

夜中は真っ暗に近い状態です。

昨年、この仕事に就いて3カ月目ぐらいでした。

秋も終わりかな、と思える寒さを感じ始めたころでした。

最初の小仮眠時にうまく眠れなかった私は、

23時からの巡回に出ていきました。

この日の、私のルートは最初に精神病棟からスタートしました。

巡回ルートは定めない方がいいと言われています。

私たちも、

所定の時間内に定められた場所を巡回する必要はあるけど、

どういうルートで、

どういう順番で、

とは決めていません。

各人がおのおの勝手に決めていいということになっています。

精神病棟につながる渡り廊下を歩いて、精神病棟に入っていきました。

8階建ての建物入口の鍵をマスターキーで開けて、

入った後また中から鍵をかけました。

ここから奥のエレベーターに乗って8階まであがり、

巡回しながら降りてきます。

懐中電灯が無いと、全てのモノがぼんやりとしたシルエット状にしか見えません。

濃淡のある黒一色の世界です。

エレベータの中の照明がまぶしいくらいですね。

階段には、

ぼんやりとしたオレンジ色の明かりが点っています。

8階から順調に降りてきて、

5階フロアの、

例の3か所のドアを、

順次施錠されているかチェックした時のことでした。

ナースステーション出入り口のドア施錠を確認して、

懐中電灯を、患者スペース両開きドアに向けました。

明かりどりのガラスが二か所ある、通路正面のドアです。

方一方の明かりドアが真っ黒でした。

ガラスの向こう側の、患者さまたちのホール明かりが漏れているはず。

現に、方一方の明かりどりガラスからは奥の光が漏れています。

ガラスが、「すりガラス」になっているので、

ほとんど中の様子は見えません。

何だろうかと思い、

真っ黒になっている方の「すりガラス」に懐中電灯をあてて、近づいた、その時です。

いきなり、私の目線に、人の顔がくっきり浮かび上がったんです。

両目をむき出したような、男の顔。

すりガラスの向こう側から、顔をガラスに押し当てていたんです。

驚いて動けなかった私の心中を見越してか、

その顔が笑いました。

ケタケタ、って感じでした。

どれくらいの時間が経ったかわかりませんが、

足を震わせながら、

4階へと向かう階段にたどり着き、

以降の巡回の記憶が定かではありませんでしたね。

巡回から守衛室に戻った時でも、

声が上ずった状態で、

精神病棟の件を、もう1人の警備員に報告しました。

「へえ、滅多にあることじゃないけどね。無いわけでもないんだよ」

「色んな人がいるからね。茶目っけのある元気な患者さんなんだろうな」

このように、笑いながら返されました。

これ以降、もう一回経験しました。

やはり、

薄明かりしかない無い暗い中の精神病棟で、

懐中電灯の光の中に、

いきなり人の顔が現れるのは、

気持ちのいいことではありませんよね。

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3.おわり

ちょっとドッキリする話で、怖い話ではありませんでしたね(笑)

そうです、そんなに思うほどは夜の病院、怖くないんですよ。

夜の病院警備、やってみませんか?

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この前の記事です。

-真夜中の車椅子-という本題です。

ちょっと怖い話です。

『孤独死予備軍55歳独身オヤジの非正規夜間警備員、病院巡回日誌1』

次の記事です。

これは、警備会社の広報誌の原稿を求められた際に、

事前準備のための、本音の【応募動機、就業実態】を書いた内容です。

ま、病院夜間警備の一部実態がわかると思います。

『孤独死予備軍55歳独身オヤジの非正規夜間警備員、病院巡回日誌3』

まとめました!

『…病院巡回日誌シリーズ』記事1~8までの紹介と各記事への入口記事になります。

『夜間警備員のお仕事-夜の病院巡回は不思議で驚きの事件がたくさん!』

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