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1.はじめに
今回もけっこう真面目なお話です。
皆さんは、夜中に、怪我をしたり、発熱だったり、
という身体に異変が起きた時、
どうされますか?
私が勤務している総合病院は、
ここらあたりではかなり大きな病院です。
常時、300名程度の入院患者さんを抱えています。
そして、救急患者さんを24時間受け入れています。
いわゆる、救命救急病院なんです。
この病院では、昼間診療の精算が終わってからの、
18時以降の「(電話)受け付け」業務も、
私たち夜間常駐警備員の業務です。
2.今日の本題『午前2時、”風邪っぽいんで今から診察してくれますか?”』
最近はインフルエンザ流行の影響で、
入院患者さんへのお見舞いも制限がかかっています。
家族以外の、友人・知人はもちろん、
兄弟や子供たちも面会できません。
「インフルエンザにかかって、
そちらの病院で1週間前に治療を受けたものです。
熱はひいていて、もう回復していると思うんですが、
昨夜から咳がとまらくて眠れないんです。
今から診てもらえませんか?」
ちょうど昨夜、私が勤務していたときにかかってきた電話です。
電話の主は若い男性。
問題は時間です。
電話がかかってきた時刻は、午前2時。
みなさんが、この電話の主と同じ立場だったらどうされますか?
私は、電話口でこう応えました。
「申し訳ありません…救急車で運ばれるような緊急治療を要する患者さまは24時間受け入れますが、ここは夜間病院ではありません。いま午前2時です。あと数時間我慢できないでしょうか?明日も祝日で休診ですが、朝の8時からは診察は可能です」
電話の主は、こう言って電話を切りました。
「あ、夜間の診療はやっていないんですね…わかりました。7時半ころにまた電話します」
こういうことなんです。
24時間救急患者対応している病院イコール、夜間診察してくれる病院(≒夜間病院)、
というカン違いをされている方が非常に多いんです。
警備員が勝手な、独自判断をしてはいけません。
原則禁止です。
しかし、かかってくる電話を全て、
救急対応で待機して仮眠中の看護士に、
まわしてよろしいのかな、
と思いませんか?
何のために、
外部からの電話と、病院治療現場との間に、
我々警備員がいるのか…。
その意味を考えながら、
悩みながらの、
最低限の判断を下していく必要は有ると思います。
この7時間前の19時くらいにはこんな電話が有りました。
ちょうど15分くらい前に救急車が到着して、
患者さんが検査室に運ばれていた状況下です。
若い男性の方が、病院近くのコンビニ駐車場に車を停めての電話。
「ちょっと手を切ってしまって、診てもらいたんですが…」
「本日は連休中で、昼間の診療も終わっています。
緊急対応する必要のある方の受け入れはやっておりますが…」
「緊急状態だから電話しているんです。ナースか医者に代わって下さい」
「わかりました。救急外来の看護士さんにおつなぎします」
ナースさんが私に、こう話しました。
「手を切って、本人が、車を運転して…こちらでは対応できません。
救急患者の対応で手が回らないんです。
断って下さい。他の病院に行ってもらって下さい」
私から、その旨を電話主の男性に伝えると、
「いくらでも待ちます。治療をお願いします」
私から再度ナースさんへ…同じ回答。
私と男性のやりとり。
「申し訳ありません。やはり、他に当たって欲しい…ということです」
「出来ないんですか」
「はい、対応できません。ほかの病院に…」
電話は切られました。
男性の気持ちもわかるし、
ナースさんたちの言っていることも理解できます。
皆さんは、どう思われますか。
3.おわり
病院の夜間警備員は、こういうこともやっているんです、
という内容でした。
この手の電話は、一晩に平均して2回はかかってきます。
酷い時は、電話なしに、
車で本人が夜間出入り口まで来て、
熱があるので診てもらいたいとかいうケースもあります。
※基本、本人が歩ける状態を緊急状態とはみません。
ただし、かかりつけの患者さまで、看護士がOKといえば別です。
夜間病院なんだというカン違い、
緊急性についての考え違い、
こういったことが混ざって、
小さなトラブルが日々起こっています。
ま、怪我をされてパニックになっていることも理解できます。
だから私たちも丁寧に対応する必要があると思っています。
そして、いつも頭の片隅には、
仮眠中の看護士さんの姿と、
『勝手な判断は禁止』という言葉があります。
政府からはこのような広報がされています。
これはPCのお気に入りに登録しておいた方がいいと思いますよ。
『どんな場合に、どう呼べばいいの?もしものときの救急車の利用方法』
ちなみに、小児救急電話相談は「#8000」で、全国共通です。
次回記事は、ちょっとドッキリの内容です。
幽霊ではありませんよ(笑)
もっと怖いかも…。
この前の記事
これは、私の雇用主である警備会社から、広報誌の原稿を求められた際に、
事前準備のための、本音の【応募動機、就業実態】を書いた内容です。
病院夜間警備の実態の一部が垣間見えると思います。
『引きこもり予備軍55歳独身オヤジの非正規夜間警備員、病院巡回日誌3』
まとめました!
『…病院巡回日誌シリーズ』記事1~8までの紹介と各記事への入口記事になります。
『夜間警備員のお仕事-夜の病院巡回は不思議で驚きの事件がたくさん!』
※最近、新聞で「45歳」という単語を見る事が増えているような気がしています。だいたいがリストラ関係の記事です。
『45歳以上の独身で無職・引きこもり・非正規社員が生きていくには?』
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